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所長の座談会

所長の座談会

テーマ

人材育成と働きやすい職場づくり
自分らしく成長できる環境が整っていると、仕事への意欲がぐんと高まります。そして、職場の雰囲気は働きがいに大きく影響します。仙台福祉サービス協会の管理者が語る、人材育成の秘訣と働きやすい職場づくりの取り組みについて、座談会でお届けします。

参加者/略歴

青葉ヘルパーステーション
事務局参事兼総務課長兼居宅介護支援事業所所長
K.T
2002年4月に財団法人 仙台市健康福祉事業団(現協会の前身)に入職し、青葉ヘルパーステーションに配属。2006年、現協会の設立を機に移籍し、事務局総務課に配属。その後、総務課長に就任。2017年より総務課長と兼任し青葉ヘルパーステーション主幹、2023年より同居宅介護支援事業所所長を務める。2024年より現職。
泉ヘルパーステーション
所長兼訪問介護事業管理者(サービス提供責任者) 
H.Y
2003年4月に入職し、泉ヘルパーステーションでサービス提供責任者、主任を務める。2014年に青葉ヘルパーステーションに異動し、班長、所長補佐を経て、2021年に所長に就任。2024年より現職。
若林ヘルパーステーション
所長兼訪問介護事業管理者(サービス提供責任者) 
Y.K
2005年8月に入職し、太白ヘルパーステーションでサービス提供責任者、主任、班長を務める。2015年に若林ヘルパーステーションに異動し、班長、所長補佐を経て、2021年より現職。

人材育成の核は「自主性」

・人材育成についての考えを教えてください

人材育成は、入職された方々の特性に合わせて柔軟に変えるのが望ましいと思っています。入職時の基礎知識に頼るのではなく、枠を超えて成長できるように、周囲のサポートを重視しています。私は、本人と一緒に到達目標を決め、それを職場全体に共有するようにしています。即戦力を期待しすぎず、戦力になるまでしっかりと待ち、その方が能力を最大限発揮できる環境を整えることが務めだと考えています。

まずは、私が一定の感情でいることと、職員が話しかけやすい環境づくりを日頃から心掛けています。そのため、「所長はこうあるべき」という考えを手放しました。当サービス協会では、ヘルパーや職員が主役なので、管理者(所長)が同じ目線に立ち、感謝の気持ちを伝えることを意識しています。また、「みんな違ってみんないい」という考え方を大切にし、職員の強みを引き出すことを重視しています。

お二人に共感するところがたくさんありました!私は、管理者も含め皆が一緒に働く仲間であるという意識を持ち、モチベーションを保つことが重要だと思っています。利用者さまに良いサービスを提供するためには、ヘルパーが働きやすい環境であることが大切です。そのため、ステーションの職員との連携やモチベーションを高めることを意識しています。

・人材が成長するために大切なことは?

人材が成長するためには、自主性を引き出していかなければならないと思っています。結構難しいんですけどね。管理者として、ただ頼られる存在にならず、自主性を尊重する環境づくりに努め、「挑戦してみたい」という気持ちを引き出すことが、成長への第一歩だと考えています。

私は教育の平準化の必要性を感じています。職員の現状は、業務と時間に追われて、とても忙しいのですが、長期的な視野で教育をおこなうことが重要だと思っています。勉強会をおこない、人材が育つことでサービス協会全体のレベルアップにつながると感じています。

管理者同士の連携も重要だと感じます。私は、若林ヘルパーステーションだけが良ければいいという考え方ではなく、ステーション間で他の管理者と連携し、サービス協会全体を盛り立てていかなければならないと思っています。職員がそのような管理者の姿を見て、成長への活力につなげてくれるのではないでしょうか。

そうですね!人材育成は、管理者の大切な仕事です。職員一人ひとりの成長をサポートすることと、組織を維持・発展させていくために、自分の後任を担ってくれる人材をどう育てていくか、これが重要な責務です。

成長の種を見逃さない

・後任を育てるために実践していることは?

年齢に関係なく、能力を見落とさず評価することを大切にしています。今すぐではなくても、後々管理者として成長してくれる人材を見極め、タイミングを逃さずにステップアップできるサポートを意識しています。

管理者候補には、日常的な私の業務に、時期を見て少しずつ直接関わってもらうようにしています。管理者のような立場になりたくないと言っていた職員も、関わることで意識が変わってきています。さらに、仕事の達成感や人間関係の満足度を与えるよう心掛けています。

私は、直接本人に「将来的に管理者になってほしい」と伝えます。そして、リーダーとしての振る舞いなどを日常的に指導しています。現在所長であるお二人にも早くから伝えていたと思います(笑)。あとは、組織の中で望まれている役割を本人に考えさせることを意識しています。

人を大切にする職場でありたい

働きやすい職場をつくるために心掛けていることは?

職場での居心地や人間関係が円滑にいっているかを面談で細かく聞き取ります。私たちの仕事は、業務内容も複雑でモチベーションを保ちにくい職業だと思っています。利用者さまやそのご家族から多岐にわたるご要望や苦情、ご意見をいただくことも多く、思ったように業務が進まないことがたくさんあるので、一定のモチベーションが保てる職場の雰囲気づくりを重要視しています。

職員一人ひとりが大切にされていると感じる職場をつくることが一番だと思います。以前の赴任先では、二つのステーションが一つに統合するタイミングで、全く異なる方向性を持つ組織を一つにまとめるのに苦労しました。私の場合は、声を上げることで、多くの方が協力してくれて、ワンチームとなりました。この実体験を生かして、長く働きたいと思ってもらえる環境を目指しています。

逆に働きにくい職場って何でしょうか? 仕事の内容が原因で生じることや、人間関係が悪くなることの二つが問題になると思います。仕事の問題は管理者として解決が容易なことが多いです。そのため、管理者へ意見や悩みを出しやすい環境をつくるように心掛けています。
一番難しいのは、人間関係の問題です。私を含め、職員一人ひとりが礼儀を守り、相手を立てることが大切です。そのためには、一定の距離感を保つ必要があります。管理者としては、この点に注意を払い、いくつかの解決策を準備しておき、問題が起きた際に迅速に対応できるよう努めています。

ヘルパーに対しては、利用者さまとの関係性について、適度な距離感を保ち、垣根を越えない関係性を保つようにという職業倫理を伝え、指導していますが、それは私たちと職員の間でもすごく大事なことだと、話を聞きながら思いました。

具体的な施策を教えてください

職員の誕生日に声掛けをしたり、事務所を綺麗に保つことを大事にしています。また、季節ごとに飾りつけなどもおこなっています。例えば仙台七夕にはみんなで七夕飾りをつくりました。毎月の業務連絡会でも、動画や5分講座などを取り入れ、ヘルパーが興味を持って参加できるような内容を工夫しています。

素敵ですね!私たちは業務連絡会で「ハッピーシート」という取り組みをし、ヘルパーが利用者さま宅で嬉しかったことを発表する場をつくっています。先日は、最終訪問日に子どもたちから手作りの絵をもらったエピソードを共有し、職員やヘルパーたちが温かい気持ちになりました。こういうプラス視点の評価を共有する機会を設けることで、他のヘルパーたちのやる気スイッチが入り、頑張ろうって思ってくれるんです。

私は職員がやりたいことに関して、肯定的な姿勢で対応しています。また、各職員のプライバシーを徹底的に尊重しています。課題が出たときは、「頑張れ」と言うのを厳禁にし、具体的な提案をするように心掛けています。「これだったらやれるイメージができますよね」と確認するようにしています。

座談会の感想をお願いします

お二人と話していると考えが整理され、私自身のモチベーション維持につながりました。同じような想いを持って働いている管理者は他にもたくさんいて、様々な取り組みをしているはずなので、さらに連携の輪を広げていきたいです。

次世代リーダーという視点から、泉ヘルパーステーション所長や若林ヘルパーステーション所長のお二人に続く管理者を育てていかなければと強く感じました!

自分のこれまでの歩みを振り返ることができました。訪問介護は、最高の福祉サービスだと思っているので、職員一丸となって、さらなる高みを目指していきたいです!